千代川町北ノ庄。
亀岡方面から、府道73号線を東に向かい、京都縦貫道の千代川ICを通過。しばらく走行後、横道に入ると田んぼに囲まれて物静かに鎮座しているのが岩城神社である。
境内はきれいに掃き清められてはいるが人気も少なく、近くに流れる川のせせらぎが耳を澄ませれば聞こえてきて神妙な気分に包まれる。
神社へ向かう道は狭い。自動車なら途中で止めて歩いていくしかない。
細川勝元ゆかり
本殿は東の方向へ向いている。
岩城神社が創建されたのは寿永2年(1183年)鎌倉幕府が作られる頃である。その後、宝徳2年(1450年)細川勝元が社頭を拡張して神領を寄進したと伝えられている。
細川勝元は応仁の乱の東軍の総大将。詳しくはこちらで → ☆細川勝元 – Wikipedia☆
江戸時代、寛文元年(1661年)に大明神号を授与されたため岩城大明神や、岩城弁財天とも呼ばれていた。
祭神は
保津峡を切り開き、亀岡盆地を開拓したとされる大山咋神(おおやまくいのかみ)
と
宗像三女神のうちの一柱、市杵島姫神(いちきしまひめ)
簡素な本殿
本殿は背の高い一間社流造で、装飾も少なく簡素な意匠でまとめられている。
かつては檜皮葺であったが、現在は銅板葺に改められている。
毎年9月6日には湯立てという神事が行われる。神前で大きな窯で湯を沸かしそこに笹を浸し周囲へ振りかけるという祓いの儀式。
笹は後に氏子に配られ厄除けとして玄関に飾られる。
この神事で使われる釜は、文久3年(1863年)の銘が刻まれており歴史がうかがえる。