亀岡市千代川町湯井。
背後に行者山が聳え、山の手であるため田んぼが広がるのどかな田園地帯である。
古からの家々も多く道も狭く自動車は運転しづらい。
その湯井はかつては丹波国府があった場所だと言われている。国府には丹波の国中の神を祀った総社があるが、それがここ湯井の国主(くずす)神社だ。
しかし、現在は松尾神社が勧請され国主神社は境内社となりひっそりと祀られている。
小高い丘の上に建っているので少しだけ階段を上る必要がある。
参道の右手側に石で囲まれた中に石仏がいくつか安置されている。
真ん中の二体のうち右側が阿弥陀如来像。左側が地蔵菩薩像である。
石質や風化具合が同程度なので、同時期に作られたものと思われる。しかし、風化が激しいため制作年代を特定するのは難しい。
おそらくまとまりのある作りのため鎌倉時代以降であるとは予想できる。
両端の石仏は阿弥陀如来か地蔵菩薩かと思われるが、風化が激しくはっきりしたことは分からない。
なお数年前までは全部で六体あったが今では四体に減っている。
長閑な田園に囲まれ、人もあまり通らない。ゆっくりと参拝して自然を満喫することができる神社であった。
松尾神社
建立:延長2年(924年)
祭神:大山咋命 大国主命