KAMEOKA NET主催、2018年1月~2018年6月まで応開催いたしておりました、第1回カメオカドットネット文芸大賞の選考が完了いたしましたので発表いたします。
応募人数と応募作は以下の通り。
応募人数:延べ7人
応募作:32作
と、多くの方より複数作品の応募をいただきまして、誠に感謝しております。
小説、詩、脚本など、多岐にわたるジャンルの作品の応募をいただきました。作品枚数も数十文字の短いものから数線文字を超える大作まで多岐にわたり、本企画の「芸術にジャンルという垣根はないという」規格に沿うことができましたことも、皆様のご協力のおかげと改めてお礼を申し上げます。
また、多数の応募作のため、選考委員の人数の不足によるものから発表が遅れましたこともお詫び申し上げます。
さて、それでは当サイトの選考委員により厳正なる審査を実施し、以下の通りの結果となりましたことを発表いたします。
選考結果
大賞 |
該当なし |
選考概要
全32作品中16作品が小説、14作品が詩、2作品に脚本というのが応募内訳でした。
応募受付開始が2019年5月からで締め切りが6月末という短い募集期間であり×開催であったため、周知をすることもままならず、どれほどの作品が集まるかは不安視しておりましたが、多くの作品が応募されることとなり誠に感謝しております。
選考委員の当記者らにより全作品を読みました結果、以下の作品が多くの評価を得ることとなりました。
三上 遥「そよ風はビルの谷間に吹く」
五十嵐・J・ファイヤー「無理」
河上 輝久「その時」
三上 遥「そよ風はビルの谷間に吹く」
疲れたOLの心情を赤裸々に描いた作品。日常的な何気ない描写がリアリティを感じられました。
外面的には仕事のできるキャリアウーマンではあるが、一歩会社のビルを出ると誰とも話したくない、顔も併せたくないという、仕事とプライベートで二面性を感じさせるのは現代の空虚な時代性にマッチしており、選考委員の多くが主人公に感情移入をしていました。ただし、日常に焦点を当てすぎて、ストーリーが平坦すぎたきらいがあります。さわやかさを求めているわけではありませんが、単なるOLの日常に徹しすぎてしまったのが残念でありました。
五十嵐・J・ファイヤー「無理」
三作品のうちの唯一の脚本ジャンルでした。ひとつひとつのセリフが非常に熱量をもって書かれており、ぐいぐいと引き込まれる内容でした。
場面転換も少なく下手をすると退屈だ、単調だと思われてしまうシチュエーションですが、それを圧倒的なセリフの発想力で補っておりぐいぐいと引き込まれる内容ではありました。
奇をてらった作品ではあり、好き嫌いが分かれる内容ではありましたが、一部の選考委員に強烈に支持された作品でした。
河上 輝久「その時」
妻の交通事故から始まる衝撃のストーリー。妻が病院のベッドで横たわる姿を見て平静でいられない主人公の鬼気迫る感情が文章から湧き上がってきました。読み進めるうちに、主人公と同じような周囲の無神経さに怒りを感じてくるほどでした。周囲が理不尽なのか、主人公がパニックを起こしているせいなのか、どちらを味方していいのか、やや周囲がストーリーの都合に合わせて動きすぎている感じがありましたが、文章からは主人公の感情がしみだしており、今回の応募作の中では圧倒的な文章力でした。
以上、各作品の選考内容でした。
この三作品の中から大賞を選ぼうとしたのですが、今回は大賞作を見合わせることとなりました。
ただどの作品も大賞作にふさわしい出来であり、どの作品も大賞に選ばれても不思議はありませんでしたが縁なく落選とさせていただくこととなりました。
現在はカメオカネット文芸大賞と名前を変えて、募集をしておりますので、今回落選した方も含めて皆様からのご応募をお待ちしております。