京都市東山区。祇園の町中にたたずむラーメン店。峰の名前は「麺処むらじ」
路地沿いにひっそりとたたずむその外観からはラーメン店とは思えない。そこに暖簾がなければ単なる町家としか見えないだろう。
だが、開店時間の11:30前にになると、店の前には開店を待つ客で行列ができる。日本人もいれば外国人もいる。祇園という立地だけに、多くの観光客がこのラーメン屋の評判を聞いて、開店前から長蛇を作る。
店内は狭い入口の戸を開けると、薄暗い室内の左手に二階へと昇る階段がある。そこを登ってすぐに店がある。
開店して列の行列から店内へ入っていくが、席の数はテーブル席とカウンター席合わせて20席ほど。並んだ人全員が店内に入ることは無理だ。
結局、列は階段から店外へと続いたままだ。なお、トイレは階段を上ってすぐの場所にあるので、待っている間に催しても不安はないだろう。
なぜ、これだけの行列ができるのか? 何が目当てなのか。
それはこれである。
檸檬(れもん)ラーメン
テレビでも取り上げられて注目されるようになった。
フジテレビの特番「格付けニッポン!秋の旬グルメNo1決定戦 」という番組で関西代表として選ばれた。
味よりも最初の見た目のインパクトが強い。輪切りにされたラーメンが表面に浮かぶ。ラーメンにレモンという想像だにできないような組み合わせが興味をそそる。
それが人気を呼んだのだろう。一体どんな味になるのか、一度は食べてみたく思う。ラーメンというこってりした濃い味の料理と、酸っぱいレモンの味のコラボレーションは、頭の中では想像できず、行列を作ることになる。
店内は上にも書いたように20席足らずの狭さだ。しかし圧迫感は感じない。むしろ清潔感を感じさせて、ラーメン屋というよりはこじゃれた小料理屋のような雰囲気だ。
店員もアットホームで、店員同士が気さくに話し合い、冗談を言い合うさまがカウンター席から見ることができる。店員は全員が女性だ。きびきびと、それでいて優雅に動くのが京都の祇園らしさといえる。
濃厚鶏白湯のラーメンにレモンを入れたその味は、こってりさを緩和させ思った以上に食べやすい。おそらくレモンなしだとこってりが苦手な人は食べるのもつらいかもしれないが、レモンのおかげでさっぱりさが増すため食べるのも苦ではなくなる。半面、汁まで飲んでしまい、胃に負担をかける恐れもある。さっぱりしたレモンの弊害か。
ラーメンだけではなく、その場で卵を混ぜてくれるチャーハンは家庭の味で素朴さを感じさせる。デザートも抹茶アイスで京都らしさを味わえる。
ただ、値段の割には量が少ない。祇園という立地を考えるとその値段は仕方ないかもしれないが、レモンラーメンはココでしか食べられない。その魅力を考えると値段以上の価値があるのかもしれない。
住所:京都市東山区清本町373-3
電話番号:075-744-1144
営業時間:平日 11:30 ~ 15:00 / 17:00 ~ 22:00
土日祝日 11:30 ~ 22:00 ※ラストオーダー閉店30分前
定休日:不定休