初の調査依頼!最終的にすごい人に出会った!!
ある日、亀岡市周辺の話題調査隊の当サイトに、ありがたいことに調査依頼をいただきました!
それがコチラ!
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【マサヤンさんのコメント】
ココロジ亀岡営業所さんを越えて広域農道に左折するとすぐ左に巨大な錆びたコンパスか洗濯ばさみのようなオブジェが立っているのですが、調べてもらえませんか?
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ありがとうございます!
まずココロジ亀岡営業所さんを調べてみると亀岡市ひえ田野町にある事が分かりました。今まで何度か周辺を通ったことがありましたがそんなのあったっけ・・・?という感じでした。
そして見つけたのがこちら!これですよね・・・!?
これ以外に周辺にそれらしきものはないし間違いない!
写真なので分かりませんが、この羽は風が吹いたら羽ばたいているのです・・・!すごい!
真相を突きとめたいけど、どうしよう。。。と思っていたら向かいの工場からキレイなお姉さんが!これはチャンスとばかり「あのオブジェは何ですか?」と聞いてみるとやはり隣の工場が関係しているらしい!するともう一人キレイなお姉さんが現れ、隣の工場の人に声をかけていただきました!(お姉さん方ありがとうございました!)
そして我々は真相を解明することが出来たのです!
亀岡在住の彫刻家・西野康造さんの芸術作品に出会う!
大変ありがたいことに、工場の中を見学させていただき詳しくお話を聞かせていただきました!
まず結論から言いますと、「コンパスか洗濯ばさみのようなオブジェ」と言うのは、亀岡市在住の彫刻家・西野康造さんの芸術作品の土台部分になります。これが真相であります。
本来であればその土台部分の上に、先ほどの写真のような羽をモチーフにした作品が乗るのですが今は外してあるとの事でした。
●西野康造さんのオフィシャルサイトはこちら
●こちらでも作品がご覧いただけます。
・その1
・その2
【西野康造さんプロフィール】
1951年兵庫県生まれ。1977年京都市立芸術大学彫刻専攻科修了。
80年代よりチタン、ステンレス、アルミニウム、鉄などの金属をおもな素材として制作し、スケールが大きく繊細で優雅、視覚的な美しさと構造上の強さとを兼ね備えた大型の芸術作品を多数手掛け、空や風から着想を得た彫刻は国内外で高い評価を得ており、各地の美術館、公共空間、駅前に数多くの作品を設置している。
2001年中原禎二郎賞優秀賞。2011年本郷新賞。2014年京都美術文化賞など受賞。
【風になるとき】
チタンを使用し、風が吹くと羽が羽ばたいている様に動く作品。
上記の写真の様に、作品の特性上、軽くて耐久性にも優れているチタンを使用して作品を作られているとの事で、自分の作りたい作品を作るため自然とチタンの知識を深め、特殊な機械を使い自ら加工し作品を制作されるそうです。今では彫刻家でありながらチタンについての公演を依頼される事もあるとか。
これだけ大きな作品を作るとなると、耐久性や安全性を考える必要があります。長期間野外で、風雨にさらされ劣化をしますし、風に煽られたりして倒壊する危険性もあります。それらを防ぐため耐久性が高く軽くて人にあたっても大きなケガをしにくい材質としてチタンが選ばれたそうです。。。。値段は高いそうですが。。。
下記の機械が旋盤とフライス盤と呼ばれるものです。これらチタンそのものを加工したり、チタンを加工するための「機械の部品」などをも制作できる!
チタンはダイヤモンドの次に硬い金属のため加工が難しく、一般的な企業では加工技術が低かったり加工してくれる業者でもコストが高くついたりするので、西野さんはそれなら自分で加工をしよう!とばかりにこれらの工作機械を購入し作品を作られたとか。
独学で加工技術を学ばれ、今では品質の高い工業製品を作れるまでに!
↑フライス盤。平面や溝を作るのに使われる。
作品に使用される加工前のチタンの棒。
実際に程よい長さに切断され加工された物を持たせていただきましたが、見た目は重そうな金属なのですがこれがとても軽くて驚きました!この様に軽い素材を使用することにより、わずかな風で動いたりするのですね。
↓こちらの現在ビニールで包まれた作品は何と重さ約25キロとの事です!
最初聞き違いしたのかと思いましたが、こちらも少し持ち上げさせてもらいましたがめちゃめちゃ軽かったです。
土台の上の部分ですが現在は工房の中にありました。
工房では西野さんに加えお弟子さんがお二人働かれているそうです。お弟子さんのひとりからは、西野さんがおられない時にご丁寧に説明をしていただきました。ありがとうございました!
この基地感がカッコいいですね〜。
基本的には上空にある物なので、こんなに近くで見れてラッキーでした♪
なおこれはお弟子さんの見本として置かれているそうです。師匠の作品を間近でお手本にして、未来の大芸術家へ着実に進んでいることでしょう!
作品にもよりますが、上記の写真の作品だと制作するのに4〜6ヶ月ほどかかるらしいです。
これが不思議なんですが、風が吹けばただ羽が動くのではなく、鳥の様に羽ばたく感じで動くんですよね。緻密に設計されているのだと思いますが不思議です。
(西野さんのYouTubeより)
(ARTCOURT Gallery YouTubeより)
なんとアメリカ同時多発テロ事件跡地「4 World Trade Center」にも作品が展示されている!
お話を聞いていてやはり一番驚いたのが、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件、その事件で崩壊した世界貿易センタービルの跡地に建てられたビルの一つ「4 World Trade Center」には、なんと西野さんの作品である「Sky Memory」が設置されているのです!
なんだかスケールの大きな話になってきた・・・!
4 World Trade Centerのサイトのギャラリー写真にも出てきます!
なんでも4 World Trade Centerについて現在所有権を持っている人物が、海外に出展されていた西野さんの作品を見たのがきっかけで4 World Trade Centerに設置される事になったそうです。
ビルの所有者の方は、ほかの有名な芸術家の作品ではなく、当時まだ無名?だった西野さんの作品に惚れこみ、直接西野さんにコンタクトを取られ作品作りを依頼されたそうです。
しかし、ビルのオーナーが見たのは↑の【風になるとき】のミニチュア。ビルにも【風になるとき】を設置してもらいたいと依頼をしたのですが、そこは芸術家の西野さん。「室内でこの作品を設置するのは無理」と断言。あっけにとられるビルオーナーや付き添いの方々を傍目に「代わりに室内のビルにふさわしい作品を考えます。それがお気に召さないならこの話はなかったことに」と言って帰国された西野さんは【風になるとき】の代わりになる作品として【Sky Memory】を作られ、ビルオーナーもそれが気に入り、4 World Trade Centerに設置される運びとなったのです。
アメリカ同時多発テロと言うと、アメリカ国民にとっては特別な出来事でもあると思いますし、その跡地に建てられるビルのオブジェなので、やはりその辺のビルに設置するのとは訳が違いますよね。そんな場所に作品を納めた人がこの亀岡にいると言うのがなんとも驚きでした。
西野さん曰く「人生なにが起こるか分からんよ」と言うありがたいお言葉をいただき、我々もコツコツ頑張ろうと改めて感じました。
ところでなぜこんなスゴイ人が亀岡に・・・!?
彫刻家は、その作品作りから近隣住民の騒音の問題で住宅地での活動は難しく、必然的に人家の少ない土地に住むことが多くなっています。
そうした意味で日本のパリともいえる学問の都、京都に隣接し、奥様の実家にも近く人家も少ない亀岡で活動をされているそうです。
亀岡には様々な分野の芸術家や作家が移り住んでいて、芸術家たちのコミュニティが生まれていたりしますので、今後、我々も沢山の芸術家の方にお会いできたらと思います。
西野さんは、現在芸術家の協会などにはあまり参加はされていないようです。多くのしがらみなどでがんじがらめになるよりかは亀岡のような自然の多い開放的な土地で自身の制作に専念できる環境が好ましいのかもしれませんね!
また、下記のマップの位置にオブジェがありますので、気軽に見に行っても大丈夫だそうです!
ひえ田野町神社からもすぐ行けますし、ぜひ行って見てください^^
これにて調査終了!
今回の調査依頼「巨大な錆びたコンパスか洗濯ばさみのようなオブジェ」はアート作品という事で結論づけましたがいかがでしたでしょうか。もし「それのことじゃないよ!」という場合はまたご連絡ください(^^;
そしてそして、お忙しいところご丁寧にお話をしていただきました西野さん改めてありがとうございました!今後のご活躍も楽しみにしております!