2017年も暮れに押し迫った深夜3時……。
調査員2号こと肥後守は友人との忘年会のため京都府北部の綾部市を訪れていた。久しぶりに会う友人たちもいて、会は盛り上がり、二次会、三次会と店を移り気が付けば深夜遅くになっていた……。
既に仕事納めで翌日は休みだし、今日は友人宅に泊まるので時間を気にする必要もない。しかし、いくら何でも2時を過ぎたころには疲れも目立ち始め、居眠りをする友人も出てきた。
そろそろ潮時か、と会をお開きにした。
メンバーとは別れて、友人一名と酔いを醒ますために氷点下の中をぶらりぶらりと街中を歩きだした。
普段見慣れた街並みも、年末の深夜だと趣が変わって見える。交通量の多い道もほとんど車は通らない。照明も少なく暗い街。ぼんやりと光る常夜灯に虫が集まっている……。
寒さに体を震わせながら、もう今更しゃべることのない友人と無言で歩いていく。体を温めてくれていたアルコールが少しずつ醒めていくのが実感できた。
と、綾部駅に訪れた時だった。頻繁に利用するその駅だが、深夜の3時だといつもと違って見える。駅構内には昼間と同様照明がついているが、それが周囲の暗さを誇張しているようだ。
その時、友人が指をさした。
「あれはなんだ?」
友人が指さした方角を見る。
ロータリーの中央部。芝生の中に不気味な像があった。
近づいてみてみる……。
一体何なのかこの不気味な物体は……。
中央部には顔らしきものが……。
真っ赤に彩られ、中央は穴が開き、その下部には奇妙な顔が付いている。一体何の意味があるのか……。
傍らには看板が突き刺さっていた。
「誰かが見ている」という名前のオブジェのようだ。一体だれが何のために見ているのか。そのだれかとはこのオブジェの下についている顔のことなのだろうか。
何度見ても疑問は解けない……。
ちなみにこのオブジェの近くにはアンネの日記で知られるアンネの像がある。
霧が深くぼやけて映る。深夜だと怖い。
綾部駅は頻繁に利用するがこんな意味の分からぬオブジェがあるとは……。
おそらく市が設置したものだろうが、意図が読めない……。
綾部駅北側の出口、綾部市の玄関ともいえる場所にふさわしいのだろうか。
「誰かが見ている」
私と友人は、誰かに見られているような視線を感じながら、すっかり酔いの醒めた体でその場所を離れるのであった……。
調査の結果
綾部市には町中の至る場所にこうしたオブジェが設置されているようである。
綾部市民でもその存在はあまり知られていないが、綾部市のホームページではっきりと紹介されている。
クリック→綾部彫刻回廊
全部で26個。ホームページ上では写真の存在しないのもある。いずれすべて訪れてみたいものだが……。
海に面していないのに「海の京都」と自称している綾部市にはまだまだ不思議がありそうだ……。
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